2024年主な活動実績
1.副知事訪問2024年7月18日

7 月 18 日、新役員及び各ブロック連絡員8名で大曲副知事を表敬訪問いたしました。
はじめに、今年度から「翼の会」の中に部会を作り新しい体制で事業や企画に取り組むことをお話しし、参加者の簡単な自己紹介に続き、総会で採択された決議文を八代会長から大曲副知事に手渡しました。
大曲副知事からは、県内各地域の自治会長に女性が少ないこと(10%)について、どうすれば打開できると思うか質問がありました。那珂川市の施策(女性が自治会長の場合、市から助成金が出る)を八代会長が紹介したところ大変興味を持たれ、活発な意見のやり取りが出来ました。
他に、前年度の沖縄視察研修、首長懇談、女性の防災組織など報告し、最後に、今年度の福岡県ジェンダー平等フォーラムの企画参加は、北九州会場で 10 月 19 日・20 日に行うこと、また内容を簡潔にご案内させて頂き、ご協力をお願いしてまいりました。
「ふくおか県翼の会」の活動に深い理解と期待が感じられる良い懇談の時間でした。ありがとうございました。
2.行政調査
(福岡県内全市町村へ男女共同参画アンケート実施)2014年度から毎年実施
※会員のみへの公開となります
3.首長懇談会
(福岡県内全市町村の首長と懇談)
原稿準備中です。もうしばらくお待ち下さい。
※会員フォームでの公開となります
4.ジェンダー平等フォーラム2024に参画
~困難な問題を抱える女性の安心と自立に向けて!~

本年度から「福岡県ジェンダー平等フォーラム」へ名称が変更になり、クローバープラザの他3つのサテライト会場でのフォーラムが開催されました。ふくおか県「翼の会」は北九州会場で「困難な問題を抱える女性の安心と自立に向けて」と題し、午前の部は多様性を課題とした「講演会」と午後の部では現状の問題の解決に向けた取り組みの「ネルディスカッション」の2部で開催をすることができました。
北九州会場や2部制も初めての取り組みでしたが、「翼の会」北九州ブロックの方々にご尽力いただき無事に終了することができました。
ジェンダー平等社会づくりに向けた取り組みをより一層推進していくために、ふくおか県「翼の会」は、新しい取り組みにも挑戦していきます。
会長:八代由美
第1部 講演会アンちゃんと語ろう 多様性社会
1.自己紹介~アンちゃんから見るニッポン~

<講師> アン・クレシーニさん
(北九州市立大学准教授)
「マツコの知らない世界」にも出演したことがある私(アンちゃん)は、現在、言語学者として大学で働き、講演や、作家としても活動しています大事なのは他人の心を「理解」する事です。故郷はアメリカバージニア州ウイズビル。若い頃ひどい吃音が有り、今からは考えられないことですが、話さないと決めていました。
運動が好きで高校の頃バスケットボールがうまくなりたいと、食べ物は敵という考えになりました。数カ月で20キロの減量に成功しましたが、それ以降25年間摂食障害に悩みました。1997年日本に渡りましたが、言葉も文化もわからないで、アメリカへ帰国しました。その後再度来日し、北九州市立大学で言語学者として働き始めました。
43歳のころ、マキコさんと親友になり、「いただきます」の言葉の意味は命をいただくこと。言葉のパワーを学びました。マキコさんから毎日アンパンマンの小さな弁当箱に食べ物をいただき、少しずつ摂食障害が直っていきました。一人で悩みと戦わないことをお勧めします。
2.日本に来てからの悩み
3人の娘を育てましたが子育ては苦手でした。まず、当時産休は原則として無給でしたから有給休暇を取りたいと言ったら、産後は産休と決まっていますとのこと。「選べない」ことはとても残念でした。子どもが生まれたとき、料理ができない、裁縫ができない、キャラ弁が作れない、おしゃれでない、ママ友もいない、つまり劣等感が半端ではなかったんです。
皆さんは、「あのお母さんみたいに料理ができない」とか「友達みたいに子どもが欲しくない」「仕事がしたいから私は悪いお母さんだ」などと思ったことはありませんか。ダブルスタンダードってご存知ですか?女性のあるべき姿って何でしょう?
ある日私は気づきました。私は料理はできないけれど、作家として本を書くことができる。私にはみんなと違う才能がある。人と比較しなくてもいいんだ。この日は私の人生を変えた日となりました。
次に困ったのはPTAとの関わりです。みな仕事をしながらPTA役員をやっているのだから、平等に、私にもできると引き受けました。でも仕事を休むことができず、無責任と言われました。人に迷惑をかけないように、働いている女性がその役割を果たすことは大変です。
3つ目に誹謗中傷についてです。私は「日本が好きすぎてたまらん」ので、待って待って、やっと日本国籍を取得しました。
日本人になった日は、本当に幸せでした。ところがSNS上が誹謗中傷の嵐となりました。「あんたは日本国籍持っているガイジン」「早く日本から出て行け」「国へ帰れ!」「国籍返して!」「あなたは決して日本人にはなりません」「死ね!」とても傷つきました。3日ぐらい食べられなくて、心が折れそうになりました。
でも若い人はオープンハート、可能性があると少しずつ立ち直りました。
3.最後に多様性について
疑問に思ったことは、女性は? お母さんは? 日本人は? … 定義なんてないですよね。私は何よりも子どもを愛しているから、いいお母さんと言えると思います。選べること、選択肢があることが重要です。
大事なのは、自分らしく生きる事。ありのままの自分を受け入れること。そして、その自分をありのまま受け入れてもらえる社会になることです。「みんな違ってみんないい」っていうか「みんな違ってどうでもいい?」国によって、文化によって、価値観がいろいろ、多様性が大切です。お互いを理解する心があるといいですね。
【振返り交流会】
講演会終了後、大きく3つのグループに分かれて、自己紹介、感想、気付いたことを話し合い、紙に書きました。それぞれのアンコンシャスバイアスや選択肢について、夫婦別姓の話など、第2部のパネルディスカッションにつながる有意義な話し合いとなりました。
第2部 パネルディスカッション基調講演:黒瀬まりこ様
女性を取り巻く環境などについて、様々な視点から現状を知り、支援の方策を探る!
1.令和6年4月1日施行「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」について

この法律が制定され、3つの基本理念――女性の福祉、人権の尊重や擁護、男女平等が打ち出された。福岡県においても「福岡県困難な問題を抱える女性への支援に関する基本計画」が策定され、5本の施策の柱をまとめた。特に「人権を侵害する暴力の根絶」及び「生活上の困難や人権課題に直面した女性等への支援」を重点的に推進するための計画に期待が寄せられる。
「困難な問題を抱える女性」とは、性的な被害、家庭の状況、地域社会との関係性その他の様々な事情により日常生活又は社会生活を円満に営む上で困難な問題を抱える女性(そのおそれのある女性を含む)と定義されている。
2.暴力の木
根元を所有意識、幹を特権意識、枝がコントロールという行動とする「暴力の木」という表現がある。家父長制、男性中心の考え方、ジェンダー不平等、性別役割意識、暴力を容認する空気があり、ジェンダー指数146か国中125位の日本ではこの「暴力の木」が育つ豊かな土壌があると考えられる。
3.フラワーデモについて

フラワーデモは共有の場であり、回復の目標や上げた声を受け止めてもらえるという場であり、デモの持つ力は大きい。♯ME TOOや♯WITH YOUにより、被害の可視化や被害者に寄り添う動きが活発化していった。
4.エンパワーメント
わたしたち一人ひとりが潜在的にもっているパワーや個性を息吹かせること、あるがままを受容し、内在する資源に働きかけることがエンパワーメント。そのためには社会から受けた不要なメッセージや痛手を取り除いていかねばならず、「個人的なことは政治的なこと」とするべき。
5.境界線(バインダリー)
人の体や持ち物、気持ち、行動の周辺に引かれている目には見えない想像上の線をいいます。「自分はどの範囲の事柄にまで責任を負うべきか」という認識をさし、支配的な関係であるか、尊重しあう対等な関係か、境界線の視点からみた関係性を考え、安心・自立に向けて境界線の再構築を図っていかねばならない。自分のことは自分で決める、NOを言える、違和感を大切にすることが自立に向かっていける。

6.暴力の木が育つ豊かな土壌を痩せさせよう!
暴力は絶対に許さないという意識・態度・行動をとることこそ、暴力の木を瘦せさせることにつながる。暴力の芽を見逃さない、人や自分のNOの発信を歓迎する姿勢を大切にする実践者となろう。
< 活動報告 >藤野 荘子さん
1.あいむとは
適切なタイミングで適切なヒト・モノ・コトにつながれる社会と人づくりを団体のミッションとし、子ども・若者の孤立を防ぎ、「どんなわたしらしさにもあたたかな居場所を」をビジョンとして立ち上げたNPO法人です。

「あいむ」に来る若者のおよそ3人に1人が通信制・定時制高校に通っている60%が不登校である、であった若者 65%が生きづらさを抱えている若者71%が相談したことがない若者であり子ども・若者の孤立が顕著。
2.夜の警固公園
テレビで放映された夜の警固公園の様子が紹介され、相談や支援の様子を見ることができた。相談したいであろうと思われる人に話しかけ、熱心に話を聞く様子がみてとれます。

3.活動紹介
夜回り(アウトリーチ)、面談・同行支援、居場所の提供、食糧支援、宿泊支援、学習支援、体験イベントなど、様々な活動が紹介され、いくつかの事例が紹介された。
「傘を渡すべきときと、一緒に雨に濡れるべきときがある」は、様々なバックグラウンドのある子ども・若者と関わる際に気をつける言葉。
< パネルディスカッション >ファシリテーター 成瀬 穫美さん
女性の抱える困難な問題とは、経済的生活困窮・精神疾患や発達障害などの障害・DV被害・虐待・ひとり親家庭やワンオペ育児・非正規雇用・性被害・望まない妊娠・アルコールやドーズやホストなどへの依存症等様々である。

その困難な問題の背景としては、孤独や孤立・社会の偏見・縦割りの福祉制度・「花嫁修業」や「家事手伝い」といった立場での見えない困難・「自己責任」という呪い・誰かの所有物という状況などが考えられ、相談に結びつかない、相談できない状況が最大の困難である。
生まれたときは誰かの娘、結婚しては誰それの妻、親となっても誰誰のお母さん、〇〇家の嫁や姑といった立場が女性の一生である。
ディスカッションテーマ(1)
女性たちの生きづらさの正体は何か? 私たちは何にとらわれているのか?
今までに生きづらさを感じたことがありますか?
幼い時、祖父からの土産が弟だけで自分にはなかったという体験や、女だからという差別は感じなかった(大学にいけた、海外での滞在もできた)とい意見もあった。
ディスカッションテーマ(2)
人を愛するということ、好きになるということって?
DV被害者からは「やっぱり好きなんです」という一言がある。しかし、これは愛なのか? 愛は育てていかねばならず、技術でもある、そのためには知識と努力が必要である。一人でも幸せな人が二人でいてより幸せになれる。
誰かに頼ることも時には必要であり、依存先を複数持つことが自立ではないか!
ディスカッションテーマ(3)
私たちができるアクション
今日、一か月後、一年後、何ができるか? 今日のフォーラムで学んだことを振り返り、自分でできることから始めていこう!
<会場からの意見>
・性交同意年齢が13歳から16歳に引き上げられたが、17歳にすべきである。
・地域の方々と運動サークルをやっている。健康も重要なテーマである。
5.企画部による交流会フォーラム終了後の懇親会と北九州市散策
ホテルクラウンパレス小倉にて交流会 in 北九州

10月19日フォーラム終了後、ホテルクラウンパレス小倉にて交流会を行いました。
今回は筑豊、北九州、筑後方面の皆さまがフォーラム等で春日市にあるクローバープラザまで、いつも出向くには時間や費用の負担が大きいのではないか。では、私たちが出向こうという事で、翼の会にて検討していたところ、今年度は福岡県ジェンダー平等フォーラム2024を北九州市男女共同参画センタームーブがサテライト会場となることが分かり、今年度は北九州でのフォーラムと交流会、北九州視察が実現いたしました。
会場では北九州市のフラ教室の皆さまによる素敵なフラダンスをご披露いただき、見ている方も手や体が自然と動いていたり、楽しい華やかな雰囲気となりました。その後、会員の方々から「しましょうか?」と声掛けをしていただき、鳥占いや歌手話で盛り上がりました。良いタイミングで「しましょうか?」とその場でお声かけくださるなど、さすが翼の皆さまですね。
残念ながら参加者は20名と少人数ではありましたが、今まで名簿上でしか繋がりのなかった会員同士が食事を囲み楽しい会話で盛り上がり、顔を合わせ語り合い、お互いを知ることでさらに繋がりが強くなったようです。
翌日は18名で北九州視察で旦過市場、昭和館、ゼンリンミュージアム、小倉城を訪問いたしました。
ここでは北九州のメンバーでそこここをよくご存じの方々に交代で案内をしていただきました。昭和館では新しくなった映画館のロビーで店主のお話を聞いたり、旦過市場のぬか炊きの味付けがお店によって違う、道路より低くなっていて大雨の時は隣の川が溢れてきてしまうことがある、火事の後、ここには瓦礫が山積みだった等、地元でないと分からないことを知ることができ、とても収穫のある視察となりました。
2025年度は筑後方面での開催を検討しております。その際は、筑後地区の皆さまはもちろんの事、会員だけではなく元会員だった方、翼の会の活動やジェンダー平等に興味のある方は是非、ご参加をお待ちしております。
企画部 長濵 真美
6.県議会傍聴
現在準備中です。しばらくお待ちください
様々な活動Photo Gyallery
2023年活動報告

糸島市首長懇談会(2月)
懇談会を追えて糸島市長を囲んでの記念撮影

副知事表敬訪問(7月)
役員が訪問し、報告と御礼、要望など毎年実施

福岡県議会傍聴(9月)
県議会膨張後に嘉村薫県議を囲んでの記念撮影

沖縄視察研修(9/29~10/1)
沖縄県女性の翼宿泊研修会で記念撮影

沖縄研修(パネルディスカッション)
「子どもの権利とは?」~男女共同参画の視点から考える~